DNAの4つの基本成分 ──アデニン、シトシン、グアニン、チミン──を用い、2進デジタル信号を4進コードに変換した。アデニンを00、シトシンを01、グアニンを10、チミンを11として、アルバム全体をDNA鎖へとコード化したのだ。
18年が終わるころ、バンドはこの処理を使って『Mezzanine』を小さな粒状シリコン内にコード化し、数千枚分を限定版のスプレー缶に収めた。この粒の耐久力は数千年に及ぶため、グラフィティアーティストはストリートアートを無数のDNA版『Mezzanine』を含む塗料で制作することもできる。現在、携帯用リアルタイム遺伝子シーケンサーでアルバムを“再生”するには、ざっと1週間かかる。